住民税の納付と会計帳簿の残高
2024年12月5日
前回、「2024年12月、住民税納付時期です!」というテーマでお話ししましたが、今回はその続編。
住民税の納付を、会計目線で整理してみようと思います。
でもその前に…。
今日、2024年12月5日ですよね。
実は、うちもまだ納付してないんです…。
残り3営業日しかない!これは急がないと。
もしまだ納付してない場合は、急ぎましょう!
納付前に会計残高もチェック!
さて本題です。
住民税の納付と会計の流れを確認していきましょう。
住民税(特別徴収)は、仕組みとして、
毎月の役員や従業員の給与から引かれた分を半年間ためて、
まとめて納付する仕組みになっています。
例えば、前期分(6月~11月)で預かった住民税の合計額が、
12月10日に納付する金額と一致するのが正しい状態です。
納付が終わると、会計上の「住民税の預り金」は0円になるはずです。
文章だけだと分かりづらいので、順を追って説明しますね。
住民税の仕訳
住民税を「預かったとき」の仕訳
まず、給与の仕訳に「預り金」を使います。
ここで、補助科目として「住民税」を設定しておくと後々便利です。
補助科目があれば、住民税の推移を簡単に追跡できるようになります。
次に、住民税を納めたとき。
仕訳上では、「預り金」の金額が減り、借方に記載されます。これで仕訳は完結です。
ただし、ここで確認したいのが下記に記す「預り金」の残高です。
この時点で正確に納付額と一致していれば問題なし。
ズレがある場合は、預かり金の処理にミスがある可能性が高いです。
日付 | 相手勘定科目 | 摘要 | 借方 | 貸方 | 残高 |
6/25 | 給与 | 6月度給与 住民税 | 10,000 | 10,000 | |
7/25 | 給与 | 7月度給与 住民税 | 10,000 | 20,000 | |
8/25 | 給与 | 8月度給与 住民税 | 10,000 | 30,000 | |
9/25 | 給与 | 9月度給与 住民税 | 10,000 | 40,000 | |
10/25 | 給与 | 10月度給与 住民税 | 10,000 | 50,000 | |
11/25 | 給与 | 11月度給与 住民税 | 10,000 | 60,000 | |
12/10 | 普通預金 | 住民税 [2024年6月~2024年11月] | 0 | ||
12/25 | 給与 | 12月度給与 住民税 | 60,000 | 10,000 | 10,000 |
補助科目に「住民税」を設定していると、「補助元帳」でその推移が確認できます。
例えば、6月から「住民税の預り金」が取り溜まっていき、12月の納付時に一度0円になります。
そして、その後また12月分の住民税が発生して、残高が再び増える形になります。
納付前に、この残高が正しいか確認してみてください。
一致していれば問題なしですが、ズレがある場合は注意。
- 残高が多い(プラス):預かり過ぎている可能性あり
- 残高が少ない(マイナス):預かり不足の可能性あり
決算時の残高確認
決算時にも同じ確認が必要です。
特例徴収の場合、納付タイミング(12月・6月)で一度0円になるので、
そこから決算月までの預り金が正しいかを確認します。
例えば、3月決算なら決算時点では、12月以降4か月分の住民税を預かっているはず。
ここの残高が一致しているかをチェックしましょう。
納付前の一手間が大事!
住民税の納付手続きそのものはもちろん大切ですが、
納付前に残高が正しいか確認するひと手間も重要です。
これを怠ると、後で預り漏れや過剰預かりが発覚して、
訂正作業に時間を取られることになります。
納付漏れを防ぐだけでなく、後からの手間も減らせるので、
ぜひチェックを忘れずに!