印刷物の余白参考見本
印刷物の制作を行う場合、掲載する内容によって紙面の余白を調整していきます。
紙面の上下左右4方向の余白を調整することにより、その掲示物を見たときの印象を変えることができます。
余白を広くとることにより、すっきりして余裕のあるような印象を持たせることができます。
また反対に、余白を減らすことにより、紙面の印象を迫力のあるものにしたり、賑やかな印象を持たせたりということもできます。
そんな余白設定について、特に明確な決まり事はありませんが、参考となる見本の余白を用意しました。ぜひシートと記事を見比べながらご確認ください。
印刷物を制作する際、余白設定に絶対にこれでないと駄目といった厳格なルールはありません。
制作物に合わせた、余白幅を設定すれば良いものです。
紙面のデザインに合わせて、余白設定するのが良いでしょう。
デザイン上の余白制限はないですが、印刷仕様上の決まりが少し存在します。
本記事で、印刷上の余白の注意点と余白を定める際の参考値をご紹介します。
印刷会社に依頼し、印刷出力する場合、仕様上の制限がかかることがあるので注意が必要です。
多くの印刷会社に共通しているのが、紙面上の重要項目の配置位置に関する内容です。
印刷の仕組み上、印刷される位置に数ミリのズレが生じることがあります。
その為、裁断位置から内側3~5ミリ程度に重要な内容が配置されないように注意が必要になります。
後から裁断を前提としていない官製はがきの場合や既成封筒などは、内側何ミリ以内は印刷不可といったルールが存在します。
印刷物のサイズや印刷会社のルールによって、仕様が異なるため、
事前に依頼する印刷会社の仕様を確認しておく必要があります。
今回のA4シートでご紹介しているガイド線は、印字の有無に関わらずコンテンツをどの範囲に収めるかといったガイドに関する余白になります。
A4サイズの内側に対する寸法は、2種類あります。
また、今回参考として掲載させてもらった寸法は3段階あり、狭め、普通、広めの3つになります。
オフセット側が余白均一なのに対し、縮尺で書いているものは上下左右の比率を設定しています。
あくまで参考例の1つなので必ずしもこれにする必要は無いですが、制作の指標になればと思います。
A4 内寸(%) | A4 内寸(㎜) | はがき 内寸(㎜) | 名刺 内寸(㎜) | |
余白(小) | W88% H92% | -7.5mm | -7.5mm | -5mm |
余白(中) | W82% H83% | -10mm | -10mm | |
余白(大) | W72% H80% | -15mm |
はがき印刷の場合、
1)1枚の用紙4面分印刷した後に、はがきサイズに裁断する場合
2)官製はがきへ直接印字をする場合
があります。
後者の場合、印刷する上で印刷できない範囲が存在する為、端まで印刷が出来ません。
2の場合は、余白範囲も考慮し内容を決めていきます。
名刺の場合、元のサイズが小さいこともあり、標準的な余白のパターンは限られてきます。
また名刺の場合は更にサイズが小さいため、印字ズレなども考慮し内側3ミリほど文字を表記しないなどの注意書きがある印刷会社もあります。
最低限のガイドラインを引く場合、内側5ミリ程度のオフセット設定でガイド線を引いておくと良いでしょう。
イラストレーターで設定する際の機能をそれぞれ掲載しています。
パスのオフセットで設定する場合には通常外側に新しいパスの枠がつくようになるため、今回のように縮小させるにはマイナスの数値で設定を行います。
また拡大縮小機能を使う場合には均一設定なのか、上下左右の比率を個別に設定するのかによって使い分けます。
左縁で「穴あけパンチを使用する場合」や「冊子見開きが存在する場合」等においては、その部分も考慮しガイド線を引く必要があります。
2穴の穴あけパンチは、左から約1センチほどに穴の中心点が来ます。そのためそれを考慮し、余白は左から約2.5センチ以上あると良いでしょう。
また冊子の場合は、冊子の厚みの程度にもよりますが、内側1.5センチほどを目安に調整すると良いでしょう。
紙面の印象を決める要素の1つである、余白の設定は重要です。
今回はあくまで標準的なガイド線について見本を作成いたしました。
実際はこのガイド線より極端に余白を大きく取ったもの、余白をあえてなくしたものなど、デザイン上様々なものが存在すると思います。
あくまで指標の1つなので、ご自身が普段使いしやすい数値を持っておくと良いでしょう。
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